綾川町様

確定申告書をペーパーレスで安全に管理
住民サービスの向上

香川県綾歌郡綾川町は、従来確定申告業務を紙で行ってきた。確定申告直前の源泉徴収票処理が膨大で、紙資料の整理に時間がかかり、約2か月にわたり超過勤務が続くのが定例だった。また、マイナンバー記載の紙資料の保管場所を確保するのに苦慮していた。そこで、紙の申告を電子申告に移行するため、NTTデータの「電子申告の達人(地方公共団体用)」を導入した。紙がなくなることで煩雑だった紙資料の整理がなくなり、書類の紛失リスクが低減した。還付金の処理が早まり、住民サービス向上に繋がった。
お客様名 香川県 綾歌郡 綾川町
所在地 香川県綾歌郡綾川町滝宮299番地
町政施行 2006(平成18)年
人口 24,132人(2019年7月末現在)
町の概要 綾上町と綾南町が合併して誕生した。町名の由来ともなっている清流綾川は伏流水も豊富で、「さぬきうどん発祥の地」としても知られる。町内にある滝宮天満宮の「念仏踊り」は、国の重要無形文化財に指定されている。
綾川町
撮影者:平井 正光氏 作品名「雨を祈願して」
平成30年度受賞作品
導入による効果
業務効率化
事務処理が毎日1時間×3人から30分×1人となり大幅に短縮。税務署からの申告書情報が紙から電子データになり、手入力が不要に。
リスク低減
マイナンバーを記した申請書や添付書類保管がほぼなくなり、紛失リスクが大幅に低減。
住民サービス向上
申告を受付ける延べ人数が激減。住民へのきめ細かな対応ができるようになった。還付金支払いまでの期間も短縮。
導入の背景と課題
約1万件の源泉徴収票の整理と入力終了後すぐに確定申告が始まり、
その間は例年残業が続く
綾川町役場 税務課 課長 宮本 佳和 氏
綾川町役場 税務課 課長
宮本 佳和 氏
 綾川町は香川県のほぼ中央に位置し、高松市、坂出市、丸亀市から近く、これら都市部のベッドタウンとして発展してきた。町の中心部には大型のショッピングモールがあり、多くの人でにぎわう。綾川町役場 税務課 課長 宮本佳和氏は、「2013年にはショッピングモールの前に地元を走る鉄道『ことでん』の新駅もできました。財政状況も県でトップクラスで子育て支援も手厚いため、若い住民が増えています」と語る。
綾川町はベッドタウンということもあり、給与所得者が納税者の約75%と多い。そのため、確定申告時期の前に、多くの企業や税理士から住民の源泉徴収票が送られてくる。その数がおよそ2万件。そのうち約半数の1万件が紙によるものだ。ピーク時は日に200件近くにもなるこれらが入った封書を開封し、入力しなければならない。そのすぐ後に確定申告が始まるため、源泉徴収票が送られてくる1月後半から確定申告が終わる3月中旬までは、職員の残業が恒例となっていた。綾川町役場 税務課 主任主事 大野真氏は、「その時期は、1分1秒でも惜しい状態でした」と語る。同町では、地域の公民館を回って確定申告を実施している。申告会場で富士通Japan株式会社の住民税申告支援システム「F@INTAX/Web」を使って申告書類を作成しているが、e-Taxと連携するにはオプション契約が必要で以前は使っていなかった。そのため、会場で書類を作成・出力し、添付書類などを確認して整理。町役場に戻ってから書類の確認とリストの作成を行っていた。この事務処理だけでも毎日3人×1時間程度かかり、繁忙期の主担当1名、副担当2名の残業時間は月平均80時間を超えていた。
セキュリティも課題だった。マイナンバーを記した申告書類を申告会場から町役場に運ぶ必要があり、紛失リスクがある。毎年出るマイナンバーを記載した紙資料は執務室のカギのかかるキャビネットに保管していたが、その容量も限界に近づいていた。 紙での申告は還付金の戻りに時間がかかることも問題だった。「毎年、『還付金はまだか』という問い合わせがありました。聞かれても役所ではわからないので、対応に苦慮していました」(宮本氏)。
綾川町役場 税務課 課長 宮本 佳和 氏
綾川町役場 税務課 課長
宮本 佳和 氏
導入の経緯
効率化と紙資料の保管および紛失リスク、
還付金戻り時期の問い合わせ対応数削減を目指し、電子申告に取り組む
 税務署からの要請もあり、綾川町は電子申告への取り組みの検討を始めた。電子申告にすれば、前述の紙資料の整理や確認にかかる手間と時間の大幅な軽減が期待できる。また、紙のマイナンバーを含む特定個人情報自体がなくなるため、紛失リスクも軽減でき、紙の保管も必要なくなる。電子申告にすれば還付金の戻りも早くなり、町役場への問い合わせも減少が期待できる。これらを検討した結果、現状の課題がほぼ解決でき、業務の効率化により残業時間を減らし働き方改革にもつながると、電子申告に取り組むことを決定。2018年F@INTAX/Webの「電子申告の達人連携オプション」とNTTデータの「電子申告の達人」を導入した。「電子申告の達人」の導入に関しては、「8台のPCにインストールしましたが、システム部門に頼る必要もなく、簡単に導入できました」と大野氏は語っている。
業務への適用は2019年2月からの確定申告で実施した。同年の町役場での国税の電子申告数は2,027件。住民自ら書類を作成して持参した63件以外は、すべて電子申告に移行した。「電子申告の達人」の操作性について大野氏は、「一括送信機能は、ボタンを押すだけで実行でき非常に使いやすい。送信中は自動処理されるので、その間他の作業を進められ助かります」と評価している。
導入効果
大幅な効率化による残業減、申告精度の向上、
紛失リスクや還付金に関する問い合わせ数削減を実現
綾川町役場 税務課 主任主事 大野 真 氏
綾川町役場 税務課 主任主事
大野 真 氏
 電子申告に移行したことで添付書類が不要になり、書類の整理や確認にかかる時間を大幅に短縮。3人×1時間から1人×30分になり、職員の残業を削減できた。ただし、初めて電子申告をする人は利用者識別番号を取得する必要があるため、初年度は大幅な受付時間短縮にはつながらなかった。大野氏は、「利用者識別番号取得のため、例年1名の臨時職員を2名にして対応しました。ただ、来年以降は番号取得が大幅に減るので、さらなる効率化ができると考えています」と語る。受付の現場では、例年添付書類や印鑑を家に忘れて取りに帰る人が多い。しかし、電子申告では添付書類も押印も不要。数字が正しいことを確認すれば住民が書類を取りに戻る必要はなくなった。また、コピーがほとんどなくなったので職員の中座が減り、住民との会話が増えた。大野氏は、「扶養家族に変更があったような場合、前年と同様に処理すると間違ってしまいます。最初に正しく申告できればお互い後が楽なので、申告の精度を上げるために聞き取りする時間的ゆとりができたのは大きい」と語る。
申告情報は税務署から役場に送られるが、その戻りも早くなった。紙の場合は、約1週間後にTIFF形式の画像データで戻る。それを見てシステムに入力するが、判読不明な手書き文字があると税務署に出向いて確認する必要がある。それが電子申告の場合は翌日にデータで戻るので、そもそも文字の確認自体が不要となり、申告期間中に同時進行でチェック可能になった。
申告会場から町役場へのデータの持ち運びもUSBメモリ1本に。メモリにはパスワードをかけているので、万一の紛失時も情報が漏洩するリスクは少ない。還付金の戻りが早くなったことで、問い合わせもほぼなくなった。綾川町は電子申告に移行したことで、上記のような効果を享受しただけでなく、坂出税務署から感謝状を授与されている。同町はこれからもこのような先進的な取り組みを通じ、住民サービスの向上と効率化を進めていく。
綾川町役場 税務課 主任主事 大野 真 氏
綾川町役場 税務課 主任主事
大野 真 氏
導入事例リーフレット
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