小山市様

市が取り扱った確定申告数の92%が電子申告へ移行。
市職員はストレスのない確定申告を実現。

栃木県小山市は、所得税の確定申告書の作成相談業務において、平成30年1月の申告受付(平成29年分所得税の確定申告)から「電子申告の達人」を利用した電子申告へ本格的に移行した。確定申告支援システム「税務LAN」と連携させることで大幅に業務が効率化されており、また、業務フローやマニュアルをしっかり整備したことが奏功し、1日300件の申告受付を行う繁忙期も職員はストレスを感じず業務をこなせている。併せて、職員が住民に対して電子申告を促すパンフレットを配布するなどの啓蒙活動を積極的に行なったことで住民も電子申告への理解を深めている。令和3年度には市が取り扱った確定申告数の約92%が電子申告となった。
お客様名 栃木県 小山市
所在地 小山市中央町1丁目1番1号
市政施行 昭和29年
人口 167,611人(令和3年11月1日現在)
市の概要 小山市は栃木県南部、関東平野のほぼ中央に位置し、市中央には母なる川「思川」が、東には鬼怒川が南流し、西南部にはラムサール条約湿地である渡良瀬遊水地が広がるなど「水と緑と大地」の美しく豊かな自然と、琵琶塚・摩利支天塚古墳等7つの国指定史跡を代表に数多くの歴史的・文化的遺産を有し、農業・工業・商業の調和のとれたまちとして発展しています。
小山市
小山市の電子申告フローとポイント
電子申告がもたらしたもの
電子申告で職員がストレスフリーな確定申告
平成30年1月から「電子申告の達人」を本格運用している栃木県小山市は、令和3年度には市が取り扱った確定申告数の約92%にあたる4,630件を電子申告で処理している。
同市 総合政策部 市民税課 市民税第一係 主事の古沢 幸大氏は「印刷は必要最低限になり、前年度に受付した方の利用者識別番号は入力を省略できるため、住民をお待たせせず、職員もスムーズに業務ができるので、ストレスを感じることはほとんどありません」と話す。
以前は、市用・本人用・税務署用と3部の印刷をする際、住民を待たせないように職員がプリンターまで走っていたが、その光景はもう見られない。1日約2,000枚の紙資料も不要になり、税務署へ引き渡すまで厳重な保管が必要なくなったことで、職員の精神的負担が軽減された。
確定申告支援システムの「税務LAN」と「電子申告の達人」を連携させたことも、業務負荷の軽減につながった。
「配属1年目に先輩方から送信フローを渡され、初めて『電子申告の達人』を使いましたが、簡単に送信できました。『税務LAN』で正しく申告書がつくられていれば、『電子申告の達人』では送信するだけなので後任担当者にも安心して任せられます」(古沢氏)
「住民の方もマイナンバーカードを見せるだけで本人確認が終わることや、押印や署名がなくなり、電子申告を好意的に受け止めています。申告後も住民から『還付が早くなった』との声もあがっています」と総合政策部 市民税課 市民税第一係 主事 田村 七瀬氏は住民の評価について話す。
総合政策部 市民税課 市民税第一係 主事 古沢 幸大 氏
総合政策部 市民税課
市民税第一係 主事
古沢 幸大 氏
現在の運用について
業務フローとマニュアルの充実で円滑な業務遂行
小山市の職員がまとめた業務フローとマニュアルは、円滑な事務運営に大いに貢献している。
「先輩方がExcelでまとめてくれたマニュアルには、エラー発生時の具体的な対処方法まで細かく書かれているので迷うことがありません。この業務フローやマニュアルをまとめてくれた先輩方に本当に感謝しています」(田村氏)
申告受付では、他の課から応援職員を要請しているが、この業務フローとマニュアルを利用することで、必要な情報や知識を組織内で共有することができ、効率的な業務を行える。
総合政策部 市民税課 市民税第一係 主事 田村 七瀬 氏
総合政策部 市民税課
市民税第一係 主事
田村 七瀬 氏
電子申告の達人による運用
1日300件のデータも簡単操作で一括送信
電子申告の導入前は、受付終了後に1日分の申告書を集約して全件目検チェックを行っており、毎晩の残業が常態化していた。しかし、電子申告が浸透した現在は、受付時点で住民の方に確認いただきながら一つひとつ数字を確認して検算まで完了できるようになったので目検が不要となり、繁忙期でも遅くまで残業することはなくなった。
「申告データは受付終了後に一括送信していますが、1日300件送信しても早いときには10分程度で完了します」(田村氏)
「税務署から申告者リストの並び順を変えてほしい等の依頼は、時間がかかる作業でしたが、今は『電子申告の達人』の並べ替え機能で簡単に対応できるので、とても助かっています」(古沢氏)
電子申告による副次効果
電子申告による効率化のおかげで賦課業務に集中できる
電子申告が浸透し、精神的にも肉体的にも職員の負担が減ったことは、その後の賦課業務にも好影響を与えている。
「申告期間の仕事が早く終わるので、余裕を持って賦課業務に集中できるようになりました」(古沢氏)
同課の次なる目標は、電子申告の良い流れを次へ継続していくことだという。
「業務フローやマニュアルを改善していくことは、課の業務だけではなく、住民サービスの充実にもつながりますから、少しずつでも改善し続けたいと思っています」(田村氏)
今後の展望
電子申告への関心が高まり自宅での申告が広がり始めている
職員のみならず住民にも電子申告の利便性が理解されてきた現在の流れをどう広げていくかが、次なる小山市の目標とされている。
「住民の方は、申告会場での確定申告が電子申告になって記名や押印が省略されてストレスが軽減されたのでe-Taxに良い印象を持っていると思います。ただし、住民からしてみると利用者識別番号の取得は面倒だと思うのでもっと簡略化したり、なぜマイナンバーだけで申告ができないのかという疑問もあると思うので、そういう部分は改善して欲しいですね。そういった課題が解消されればもっと自宅でe-Taxを利用する人が増えると思います」(古沢氏)
小山市
導入事例リーフレット
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